化粧品会社は利益を追求する企業
化粧品会社が、お客様の素肌をダメにする
メイクをすすめてきたのはなぜでしょうか?
答えは実に簡単です。厚く塗ったほうが化粧品の消費量が増えて単純に売り上げが伸びるからです。身もふたもない理由ですが、サービスの質ではなく、物品の量を売っているのだから、当然といえるでしょう。
たくさん買ってもらわなければ、売り上げが伸びない。
利益が出ないとなれば、企業ですから量を売る戦術をとってあたりまえです。
先にも述べたように若いうちは、厚く塗り込めたメータでも大きな問題は出ないことが多いのです。
ダメージが一挙に噴出するのは、後になってからのことです。
お肌の曲がり角を過ぎると、肌に蓄積された疲労、そして汚れが、肌をくすませ、部分的に残った老廃物はシミやホクロを作っていきます。
化粧美人は若いうちだけと心得るとよいでしょう。しかし、実際には、多くの人が若いころと同じようなメイクを続け、さまざまなお肌のトラブルを引き起こしています。
化粧品メーカーは、肌のトラブルが起きてからも、乳液をつけろ、クリームをつけろといってくるかもしれません。
しかし、化粧品を塗る、つけるだけではダメなのです。
つけたものは必ず落とさなければいけません。
どんなに肌によい化粧品であっても、空気に触れれば酸化して質が悪くなります。酸化した化粧品が肌に残っていれば、お肌も酸化、つまり老化していくでしょう。
「つけろ、つけろ」というばかりで、本当の化粧落としを教えてくれない化粧品メーカーは、美の追求者として一流とはいえません。
ちょっと広い視野で見ていくと、現在はサービス業の時代です。モノを作る製造業も、モノを売るセールスも、それほど振るわなくなるでしょう。
それはなぜでしょうか?
それはもともと人間がモノをほしかっていないからです。見渡してみてください、周りは物であふれているのです。家がある、車もある、TVもエアコンも洗濯機も電話も1人1台の時代です。
お化粧品がほしいのではなく、欲しいと思っているのは美しい綺麗な顔のはずです。
同じように、化粧品が売れればいいと考えているだけではサービス業者として生き残っていけないかもしれません。売るのではなく、いかにきれいにしてあげることができるか。これを考えられるのは、サービスに携わる人間だけです。
化粧品を作る、そして、売るという考え方では、本当にいいサービスは提供できなくてあたりまえ。新しい商品を考案することだけでなく、早くサービス業に脱皮してほしいものだと思います。これは業界の塗るより落とせということになるかもしれません。